一人の根源的欲求が、Appleという哲学になった―スティーブ・ジョブズのアライメント

なぜ、スティーブ・ジョブズは、人生のどの局面でも「やること」がブレなかったのか。それは才能ではなく、IC・ASC・MCが一本の流れとして機能していたからです。

目次

基本情報

名前:Steve Jobs(Steven Paul Jobs)
IC:射手座
MC:双子座
ASC:乙女座
職業:起業家/実業家「Apple」共同創業者・同社CEO/NeXT創業者/ピクサー・アニメーション・スタジオ創業者/ウォルト・ディズニー・カンパニー役員
受賞歴:
・アメリカ国家技術賞
・大統領自由勲章

Apple創業者として有名なスティーブ・ジョブズ。 「Apple II」でパーソナルコンピュータの概念を普及、iPodやiTunes/iTunes Storeで音楽業界に新しい変革をもたらした時代の寵児です。

今回のケースでは、ジョブズのホロスコープに刻まれたIC(根源的欲求)→ ASC(変換)→ MC(社会的役割)という流れが社会的結実を生み出したか、そして根源的欲求がどのように企業を発展させたかを読み解きます。最も美しいアライメントの成功例です。

IC:魂の源流と根源的欲求

射手座は「真理・遠い世界・高い視点の哲学・宗教観」を司るサインです。IC射手座のジョブズは、若い頃からインドへ放浪の旅に出るなど精神性の世界に浸っていました。彼の原動力は常に「人間とは何か?」「どうすれば人間の可能性を拡張できるか?」という高い精神的・哲学的な欲求にありました。

彼のIC射手座の「普遍的真理の探求」の核となっていたのが、「禅(Zen)」です。1970年代から熱心に禅を学び、実践していました。ジョブズは曹洞宗の僧侶である乙川弘文(おとかわこうぶん)氏を生涯の師と仰ぎました。あまりにのめり込みすぎて、一時は「出家して僧侶になりたい」と師に相談したほどです。しかし、師から「ビジネスの世界で禅を実践しなさい」と諭されたことが、彼のMC(社会的役割)を確立する大きな転換点となりました。

「余計なものを捨て、本質だけを残す」という禅の教えは、ミニマリズム(削ぎ落とす美学)として生涯に渡って彼の資質(ASC)と社会的役割(MC)を磨き続けることになります。

「点と繋がる(Connecting the dots)」という有名なスピーチは、まさに射手座的な「全ての事象を統合し、真理を見出す」視点から生まれています。

MC:社会的表現の型

ジョブズはICの根源的欲求による禅への探求で満たされたエネルギーを、MC双子座「情報の伝達・デバイス」という創造的な型に落とし込みました。

彼のMCの型であるアップルという会社や製品は、単なるお金儲けの手段ではありません。ジョブズの哲学(IC)を表現するための「聖なる器」です。アップルが世界を魅了するのは、その磨き抜かれた哲学にあります。その洗練された哲学はジョブズの死後もなお、世界中の人々の魂を揺さぶり続けています。

また、彼は根源的欲求をデバイスとしてのApple製品という型に落とし込んだだけではありません。アップルの製品や会社の語り部という社会的役割の型を表現しています。双子座は、言葉・情報伝達も意味します。彼の伝説的なプレゼンテーションは、射手座の哲学を双子座の軽やかで心に響く言葉で世界に広める、完璧なアライメントの表現でした。

ASC:変換装置としての資質

IC射手座だけでは夢や理想を語る抽象的な人だったかもしれません。現実の製品へと落とし込んだのが、ASC乙女座の「細部への異常なこだわり」という資質です。禅(IC)を、無駄を削ぎ落とした洗練されたデザイン(ASC)に変換する変換装置として機能しました。

「見えない裏側の配線まで美しくしろ」という命令や、フォント(書体)一つに対する執着。これはASC乙女座の「分析・洗練・機能美」という資質を極めた結果です。

試作品のiPodを持ってきた技術者に「もっと小さくしろ」と命じると、技術者が「これ以上は物理的に無理です」と答えました。そのときジョブズは、iPodを水槽に投げ込みました。底から気泡が出てくるのを見て、「ほら、空気が入っている(隙間がある)じゃないか。もっと小さくできる」と言ったのです。

ジョブズはこんなふうに言っています。
「イノベーションとは、1000の重要でないことに『NO』と言うことだ」

製品開発において、彼は「何を入れるか」ではなく「何を削るか」に集中しました。これはASC乙女座の「不要なものを排除し、本質を抽出する」という資質そのものです。 

「No」と言い続ける美学は、IC射手座の「禅」をASCの乙女座で磨き上げたジョブズのアライメントです。

IC→ASC→MCの連動図

スティーブ・ジョブズの成功は

IC射手座:普遍的真理の探求の核である「禅(Zen)」
ASC乙女座:無駄を削ぎ落とし、細部にこだわる
MC双子座:革新的な情報装置・デバイスを生み出す

IC射手座:アップル製品を作り上げた哲学
ASC乙女座:分析
MC双子座:アップル哲学の語り部

この流れが美しくアライメント(整列)された結果と言えます。
ジョブズの洗練尽くされた哲学は今もアップル社で生き続けています。

代償行為パターン

ICの根源的欲求を満たし、それをMCの型に落とし込んだ自己一致感を持つスティーブ・ジョブズには、代償行為は見られません。

アップルを追放された時も、彼にとっては代償行為と呼べるものはなく、ひたすらIC-ASC-MCを極め続けています。それが可能だったのも、ジョブズが確固たるIC射手座を持ち、充足し続けたからでしょう。

MC(型)の再定義とASC(資質)の洗練

スティーブ・ジョブズの「空白の12年間(1985年〜1997年)」に何があったのか?この期間の製品開発のエピソードは、ICMCアライメントとしてドラマティックな内容です。

ジョブズはアップルを追放された直後にNeXT社を設立しています。この時の彼は、まさにMC(双子座:情報デバイス)という「型」を、ASC(乙女座:完璧主義)の資質で極限まで突き詰めようとしていました。

伝説の「マグネシウム・キューブ」
NeXTのコンピューターは、つなぎ目が一切ない完璧な立方体(キューブ)であることにこだわりました。そのために製造工程に巨額の投資をし、「内部の基板の美しさ」や「ネジ一本の塗装」にまで狂気的な注文を出しました。

この時期は、ASC乙女座の「細部へのこだわり」が暴走し、市場のニーズを無視した「オーバースペックな型(MC)」を作っていました。しかし、この時開発したOS(NeXTSTEP)は、後のiPhoneやMacの心臓部(iOS/macOS)になります。

リーダーシップの変容(ASCの成熟)
同時期に買収したピクサーでは、当初コンピューターを売ろうとして失敗しましたが、最終的に「アニメーション映画」という新しい表現の型にたどり着きます。

アップルやNeXTでは全てをコントロールしようとしたジョブズでしたが、ピクサーのクリエイティブな現場に対しては、「自分は素人である」と認め、口出しを最小限に抑えることを学びました。

ここで彼は、ASC乙女座の「批判・修正」という資質を、現場を萎縮させるためではなく、「最高の結果を出すためのサポート」として使う術を習得しました。ASC乙女座を「作品の質を守るための盾」として使い始めたのです。

空白期間にNeXTやピクサーで「新しい表現(型)」を試行錯誤したことで、アップル復帰後の完璧なアライメント(iPhoneの誕生)につながったのです。

IC-MC-ASCの洗練されたアライメントが究極のApple哲学へ

1985年、事実上の解任となってアップルから追放されたジョブズ。それから復帰までの間に、「パーソナルコンピュータ」はマイクロソフトが世界を席巻していました。

アップルの業績は完全に低迷。ジョブズが復帰した時点でアップルの赤字は約10億4,000万ドル。瀕死の状態でした。1997年、アップル社はジョブズを呼び戻します。

ジョブズはまず手始めに製品を整理し、売れるものだけに。また20の事業を4つに減らしました。乙女座的な断捨離です。その結果、ジョブズは四半期で黒字に変えます。

1998年、「無機質な箱」だったPCを半透明で美しいデザインに変えたiMacをリリース。アップルのブランドイメージ(型)を再定義したのです。

2001年、「1000曲をポケットに」というキャッチコピーと共にiPodが登場。音楽という情報(双子座)を誰でも使える型に落とし込みました。

2007年、電話・ネット・音楽を1つに統合したiPhoneの登場。

  •  IC(射手座): 「人間の知性を拡張する」という高い理想
  • ASC(乙女座): 物理ボタンを全て排除し、画面だけに凝縮したミニマリズム
  • MC(双子座): 全世界を繋ぐ究極の通信デバイス

この「iPhone」こそが、彼の全アングルが一点の曇りもなく整列した「人生の最高傑作(マスターピース)」と言えます。

そしてこのアライメントは今やアップルのブランディングとなって、今も受け継がれているのです。

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